くわしい病気の説明

診察室では口で説明することが多いです。補足する説明をまとめました。手術動画や写真については,「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」に従って,説明と同意,情報の機密,匿名化など適切な対応をしています。

扁桃腺の手術

扁桃腺はバイ菌をやっつけるために、本来は必要な臓器です。しかし、過剰に反応して、痛んだり、大きくなって支障が出た時、手術で摘出します。

1)年に4回以上(季節の変わり目ごと)、高熱と扁桃腺の痛みで苦しむ。学校や会社を休む。抗生剤の投与や入院治療が必要になった。

2)扁桃肥大が、高度のいびきや睡眠時無呼吸の原因になっている。大人の場合、簡易睡眠検査で、睡眠時無呼吸症候群の診断基準を満たした。

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https://youtu.be/WpAwwGBETZ8

当院では、内視鏡を使って丁寧に扁桃腺を摘出しています。手術後になるべく痛くないように、手術後に出血しないように、手術野を拡大して丁寧な操作を心がけています。

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https://youtu.be/UmjJwmVRZ8c

全身麻酔で1時間程度の簡単な手術ですが、手術後は痛いです。痛み止めを1日3回きちんと飲んでも痛いです。本当に痛いです。私も子供の頃、手術を受けましたが、予想以上に痛かったです。ふつう、手術の傷は縫い合わせますが、扁桃腺の傷は取りっぱなしです。水を飲んでもしみて、唾を飲み込んでも痛いです。子供は、痛みより食欲が勝るので、空腹に耐えられずに食べます。点滴しなくても食事が十分に摂れれば、術後1週間で退院です。しかし大人は、知恵がついています。食事が取れなければ、先生は栄養点滴をしてくれるから大丈夫です。なかなか食べられなくて、術後2週間も入院しています。

 

扁桃腺の手術で問題になるのは、術後出血です。手術直後と術後7日目以降に多い、手術合併症です。口の中で出血すると、血液を飲み込んで窒息する危険があります。すぐに看護師か先生を呼んでください。

扁桃腺の術後出血は怖い合併症です

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