扁桃腺の手術
扁桃腺はバイ菌をやっつけるために、本来は必要な臓器です。しかし、過剰に反応して、痛んだり、大きくなって支障が出た時、手術で摘出します。
1)年に4回以上(季節の変わり目ごと)、高熱と扁桃腺の痛みで苦しむ。学校や会社を休む。抗生剤の投与や入院治療が必要になった。
2)扁桃肥大が、高度のいびきや睡眠時無呼吸の原因になっている。大人の場合、簡易睡眠検査で、睡眠時無呼吸症候群の診断基準を満たした。
当院では、内視鏡を使って丁寧に扁桃腺を摘出しています。手術後になるべく痛くないように、手術後に出血しないように、手術野を拡大して丁寧な操作を心がけています。
全身麻酔で1時間程度の簡単な手術ですが、手術後は痛いです。痛み止めを1日3回きちんと飲んでも痛いです。本当に痛いです。私も子供の頃、手術を受けましたが、予想以上に痛かったです。ふつう、手術の傷は縫い合わせますが、扁桃腺の傷は取りっぱなしです。水を飲んでもしみて、唾を飲み込んでも痛いです。子供は、痛みより食欲が勝るので、空腹に耐えられずに食べます。点滴しなくても食事が十分に摂れれば、術後1週間で退院です。しかし大人は、知恵がついています。食事が取れなければ、先生は栄養点滴をしてくれるから大丈夫です。なかなか食べられなくて、術後2週間も入院しています。
扁桃腺の手術で問題になるのは、術後出血です。手術直後と術後7日目以降に多い、手術合併症です。口の中で出血すると、血液を飲み込んで窒息する危険があります。すぐに看護師か先生を呼んでください。
鼻の手術をします
ちくのう症、はなづまり、鼻の腫瘍や嚢胞などで手術が計画されています。ファイバーでの診察とCT撮影が必要です。腫瘍や嚢胞ではMRIを撮影することもあります。内視鏡を使っての手術ですが、鼻に近い目や脳の合併症が危険です。ナビゲーションシステムを使って、手術合併症を防ぎます。
https://www.youtube.com/watch?v=5FzDH4A_Hi4
手術後は、翌日から止血ガーゼを抜き始めます。麻酔はもう切れているので、痛いです。すべて抜けて鼻血が止まれば退院です。退院後は、鼻の中にかさぶたがつきます。鼻を自分で洗い流すと、早く治ります。安いので市販の洗浄薬をお勧めします。洗い方をまとめました。動画もご覧ください。
鼻の内視鏡手術は、意外にも手術の料金が高くてびっくりします。高額医療費申請をしておいたほうがお得です。入院前に、患者サポートセンターで手続きを聞いてください。自分で市役所に出向く必要があるので、手術日が決まったら、早めにお願いします。
くびやのどに腫瘍(できもの)があります
1)くびにしこりがある。リンパ節が腫れている。
2)のどにできものがある。
3)悪性腫瘍(がん)が疑われている。
まずは、画像検査で大きさや場所を調べます。癌が疑われればPETを撮影します。つぎに、細胞を取って癌を確定します。針を刺したり、手術室で一部を取って調べます。パンフレットの流れにそって説明します。すべての検査を予約すると、診断までに1−2ヶ月かかります。早く結果を知りたいですが、悪性の診断には時間がかかります。
ガンの診断がついた後、手術、抗癌剤、放射線の3つの治療の組み合わせを考えます。ガンの進行具合、転移があるか、年齢、糖尿病や心臓の持病があるか、治療後に世話する家族がいるか、頻繁に病院に通えるか、高額医療費の支払いなど、患者背景も考えて、もっとも適した治療を提案します。
ガン治療はお金がかかりますので、市役所で高額医療申請をすませてから治療を開始してください。患者サポートセンターにご相談ください。
医者は隠さず全てを話します。ガンと告知されて、悲しく、不安と思います。がん看護専門看護師が、心も含めてケアしますので、もっと話したい人は申し出て下さい。